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いい人、悪い人ってなんだろ。
その日は大阪から戻った翌朝のことだった。
7時半には起きて8時半に警察学校に行く。 世間ではなんでもないタイムテーブルも半日ずれているミュージシャンにはつらい時間帯だ。

違反者講習、それは社会参加コースと実車コースにわかれている。
楽屋でみんなに、ぜひ社会に貢献して来いそして証拠写真もな!と言われた僕は当然社会参加コースを選んだ。

ごみひろい。

軍手とビニールとごみばさみを渡されてマイクロバスに乗り込む。 さながらプリズンブレイクのよう。

こっそりと教官の目を盗んで、知らないごみひろい仲間に撮影してもらう。

夕方の4時まで続く講習がやっと終わった。 いっせいに駅に向かって歩く。
知らないもの同士駅までもくもくと歩いていると、最後の一本を吸い終えたタバコの箱をポイっと投げ捨てた奴がいた。
おどろいたこにごみを一緒に拾ってたおっさんじゃないか!

マジで信じられなかった。 ごみひろいながら彼は何も考えなかったのだろうか。

俺たちミュージシャンは世間からはろくでもない人間だと思われがちだ。 ま、そうかもしれん。 クスリや、葉っぱでプリズンノンブレイクな仲間がいっぱいいる。 でも、僕はたとえムショへ行こうともごみをポッケに入れて帰る、そんな人間でいたいと思うのであった。  
| 葛城哲哉 | 00:00 | comments (x) | trackback (x) | |
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